『UFC(Ultimate Fighting Championship)』はアメリカのラスベガスに本部を構える世界最大規模の総合格闘技団体。
UFCには、世界中から男子選手(フライ級からヘビー級の8階級)、女子選手(ストロー級からフェザー級の4階級)合わせて、689名のファイターが在籍(2021年時点)しています。
そして、最高峰の実力を持つ格闘家たちが競う舞台を主催し、毎年10~15の大会が行われています。
また、大会の模様は世界172の国や地域で放送されており、ファイトマネーも1億円を上回ることがあるなど、人気、実力ともに世界一の規模を誇ります。その分、ファイターのレベルの高さは尋常ではありません。
過去には、「神の子」と称された山本“KID”徳郁選手も参戦しましたが、4戦で0勝3敗1無効試合となるなど、多くの日本人選手が苦戦を強いられています。
いままでUFCに挑戦した日本人選手は60人ほどいますが、タイトルマッチにたどり着いたのは、たった4人しかいません。その4人もタイトルマッチで敗戦し、タイトルには手が届きませんでした。
そんな熾烈を極めるUFCで、2勝以上した日本人選手トップ5を勝率の高い順に紹介していきます。
TOP5 ストラッサー 起一 選手【勝率.600】
ストラッサー起一(ストラッサー きいち)選手は、ブラジリアン柔術やレスリングで習得した「抑え込み」「タックル」を得意としています。
2014年~2017年までUFCに5度参戦し、戦績は3勝2敗です。
2014年カナダで行われたUFC174では、得意の締め技である「リアキネイドチョーク」で一本勝ちを収め、UFCパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞しました。
ストラッサー選手の経歴で驚きなのが、「格闘技を始めたのが24歳から」ということです。現在の姿からはなかなか想像できませんが、それまではプロのスケートボード選手として活動したのち、「色々なスポーツに挑戦したい」という思いから、格闘家に転向したそうです。
格闘技挑戦から2年後の2007年にリングデビュー、さらに2014年に総合格闘技最高峰の舞台UFCに参戦し、勝ち越した実績は、日本人格闘家の中でも異彩を放っています。
TOP4 水垣 偉弥 選手【勝率.615】
格闘家でありながら、大学院を修了していることから「インテリジェント・スナイパー」の異名を持つ水垣 偉弥(みずがき たけや)選手。
打撃戦を得意としており、右のフックやストレートはUFCの舞台でも一撃必殺の威力を発揮しました。
UFC初参戦は2011年で2016年まで毎年参戦。戦績は8勝5敗でした。また、日本人選手として初となるUFC5連勝を成し遂げています。
さらに、日本人2人目となるUFCファイターランキング入りを果たし、UFCバンタム級の最高5位まで上り詰めるなどの素晴らしい記録を残しています。
UFCタイトルまであと一歩まで迫ったものの、バンタム級1位のドミニク・クルーズに敗戦後、1勝3敗となった時点で契約解除となりました。
その後はACBに舞台を移し、再起を図りましたが、2019年のマネル・ケイプ戦を最後に現役を引退、現在は総合格闘技のジムを運営しています。
TOP3 須藤 元気 選手【勝率.667】
日本でカリスマ的な人気を誇った須藤元気選手は、2002年~2004年までUFCに3度参戦。戦績は2勝1敗でした。
レスリングをバックボーンに持ち、独特のステップで間合いを詰め、バックハンドブロー=裏拳撃ちで仕留めるなど対戦相手を攪乱するファイトスタイルから「変幻自在のトリックスター」と称されました。
UFCでの2つの勝利はいずれもTKO勝ちで、相手にトリッキーな打撃を警戒させたところをタックルで捕まえ、寝技に持ち込む、まさに変幻自在の戦い方を見せつけました。
また、入場時のダンスパフォーマンスも注目され、ダンスパフォーマンスチームも結成、「最大人数でロボットダンスを行う」というギネス記録も樹立しているんです。
現役引退後は、拓殖大学レスリング部の監督・俳優・書道家・政治家など、活躍の場を拡げています。
TOP2 岡見 勇信 選手【勝率.667】
岡見勇信(おかみ ゆうしん)選手は、UFCにおける日本人最多の14勝(7敗)を記録しています。3位の須藤元気選手と同じ勝率ではあるものの、勝利数の多さで2位です。
当時プロレスラーを目指すために入門した和術慧舟會で学んだ空手と柔道を組み合わせたコンビネーションで、高校から始めたという柔道仕込みの寝技を得意とする一方、パンチによる打撃戦にも強く、柔軟な戦い方ができるのが特徴です。
日本人で初の、UFCファイターランキングにランクインした選手でもあります。一時はUFCのミドル級で、世界ランク2位まで上昇し、日本人未到のUFCチャンピオンまであと少しのところまでたどり着きます。
しかし、2011年8月に行われたUFC134で、ミドル級王者アデウソン・シウバに挑戦するも敗戦、惜しくもチャンピオンには届きませんでした。
タイトルマッチで再戦すべく、戦績を重ねますが、3連勝後の2013年9月に喫した敗戦を機にUFCから突然の契約解除を通告されます。
岡見選手のような上位ランカーが契約解除されるケースは、非常に稀ではあるものの、改めてUFCで戦い続けることの難しさを思い知らされる事例です。
それでも2017年にUFC復帰を果たし、2018年4月のディエゴ・リマ戦では勝利を飾るなど、意地を見せました。
TOP1 堀口 恭司 選手【勝率.857】
UFC日本人最高勝率を誇るのが、堀口恭司(ほりぐち きょうじ )選手です。
2020年の大晦日に日本で行われたRIZIN.26で、堀口選手が朝倉海選手を圧倒した戦いを覚えている方も多いのではないでしょうか。
日本人史上初のMMA世界王者、RIZINバンタム級王者、修斗世界バンタム級王者など数々の世界タイトルを勝ち取るなど、軽量級の総合格闘家では世界トップクラスの実力と称されています。
UFCでの戦績も、7勝1敗と大きく勝ち越しており、たった1度の敗戦はタイトルマッチによるものです。UFC在籍時の最高ランクはフライ級3位まで上り詰めており、現在、最も日本人初のUFCチャンピオンに近い選手と言っていいでしょう。
格闘技を始めたのは、山本“KID”徳郁への憧れがきっかけで、KID選手が設立したジム:KRAZY BEEに所属していました。
そんな憧れの人、生前のKID選手から「堀口は俺より凄くなる。楽しみに見ていてください」と絶賛されるほどの格闘家へと進化を遂げた堀口選手。
RIZINバンタム級王者である堀口選手は、UFCの本場でもある米国の総合格闘技ジム:アメリカン・トップチームに拠点を移し、強化に励んでいます(2021年現在)。
まとめ
UFCで熱く戦ってきた日本人選手たちの活躍はいかがでしたでしょうか。
今月には、ランキング1位の堀口恭司選手が2021年12月にBellator272でベラトール世界バンタム級王者であるセルジオ・ペティスと対戦することが発表されました。
今後も世界で戦える日本人ファイーターが増えることを期待しています!
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