サッカーワールドカップ2022の決勝戦前に、あるブックメーカーが大きな決断を迫られていたことをご存知でしょうか。
一人のギャンブラーがスポーツベットした26ドルに対して、ブックメーカー「FanDuel」は55万7,770ドル(約7400万円)の支払いが生じる可能性があったのです。
55万7,770ドルの配当を生むベット
ダニエル・フォルテという人物はブックメーカーでの賭けにおいて、サッカーワールドカップ2022の試合結果を組み込んだパーレーベット(マルチベット)をしていました。パーレーベットは、複数のベットを組み合わせてひとつのベットとして扱い、配当倍率をあげる賭け方です。
フォルテ氏は7つのオッズを組み合わせパーレーベットにしていました。その7つのベットすべてが当たった時に初めて配当が発生することになります。そして、ワールドカップ決勝戦前にすでに6つの予想が的中しており、残すはフランス対アルゼンチンの結果次第となっていました。
フォルテ氏は、フランスの勝利に賭けており、予想が見事に当たれば、55万7,770万ドルの配当を手に入れることとなります。
マルチベットで予想をしていた試合とは
フォルテ氏は、サッカーワールドカップ2022の試合のほかに、以下のようなベットをパーレーベットに組み込んでいました。
- 2022年のNBAチャンピオンシップでのゴールデンステート・ウォリアーズの優勝
- NHLアイスホッケーのスタンレーカップでのコロラド・アバランチの優勝
- NCAA男子バスケットボールトーナメントでのカンザス大学の優勝
そのほか3つのベットを含めてすべて的中させ、残りはサッカーワールドカップ2022でフランスが勝利すれば、配当金を手にすることができるという状況でした。
ブックメーカーの苦渋の決断
7つのベットすべてが当たる確率は1%にも満たないものでした。しかし、6つのベットが当たり残りのベットはフランス対アルゼンチンという、どちらが勝ってもおかしくない状況になっていました。
実際のところフランス対アルゼンチンは3対3で試合を終えて、PK戦を残すのみとなったのです。
この状況でフォルテ氏もFanDuelもお互いに生きた心地がしなかったことでしょう。そこで決勝戦が行われる前に、両者は取引を交わしました。FanDuelは損失リスクを回避するために、ダニエル・フォルテは7つ目のベットを外して大きな配当を逃すことを回避するために、キャッシュアウトすることにしたのです。
結果としてFanDuelは55万7,770ドルのリスクと引き換えに、フランス対アルゼンチンの試合開始の前に28万3,538ドル(3750万円)をフォルテ氏に支払いました。結果は、ご存じの通り、フランスがPK戦で敗れ、予想は外れとなりましたが、この取引はFanDuelにとって苦渋の決断の結果でありやむを得ないものだったのでしょう。
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