新型コロナウイルスの感染拡大で世の中が激変した2020年。
そんな中、日本の競馬界では、史上初となる歴史的な出来事が起こりました。牡馬・牝馬の無敗3冠馬が誕生し、G1最多勝となるG1・8勝馬が誕生したのです。
そして、その3頭が11月29日、東京競馬場で行われる『G1ジャパンカップ』で激突することとなりました!
このことが、どれほど凄いことであるかを注目の3頭をご紹介しつつご案内していきます!
歴史的なこの一戦はウィリアムヒルズなどのブックメーカーでも大注目されています!
史上初の無敗牝馬3冠馬・デアリングタクト
桜花賞・オークス・秋華賞(1995年まではエリザベス女王杯)の3歳の牝馬限定競争を制した馬が牝馬3冠馬と呼ばれます。
1986年のメジロラモーヌから、2018年のアーモンドアイまで、5頭が誕生しましたが、無敗の牝馬はこれまで1頭も誕生していませんでした。
今年、史上初となる無敗の牝馬3冠馬となったのが「デアリングタクト」です!
無名の牧場で誕生し、当歳馬のセリでは破格となる800万の金額でも買い手がつかなかった同馬。
しかし、2019年11月のデビュー戦を快勝すると、年明け2月のエルフィンステークスを圧勝。一躍クラシック戦線の有力候補に躍り出ると、その勢いのまま桜花賞へ参戦。
雨が降るタフな馬場を、一頭だけ次元が違う末脚で快勝し、あっという間にG1馬に。キャリア3戦目での桜花賞制覇は40年ぶりという快挙でした。
そのままオークス、秋華賞と制覇し3冠を達成!
見向きもされなかった馬が破竹の快進撃でシンデレラストーリーを掴んでいます。
史上初の親子無敗牡馬3冠馬・コントレイル
一方、牡馬では、皐月賞・日本ダービー・菊花賞の牡馬3歳クラシック競争を制覇した馬が3冠馬と呼ばれ、歴史を遡ると1941年のセントライトにはじまり、2011年のオルフェーヴルまで、これまで7頭しか誕生していません。
無敗となると、1984年のシンボリルドルフ、2005年のディープインパクトと2頭しか達成していませんが、そんな大記録を今年達成したのが「コントレイル」です。
父に無敗の三冠馬・ディープインパクトを持つ同馬。
2019年9月にデビューし、新馬戦を快勝のち出走した東京スポーツ杯2歳ステークスを圧勝すると、そのまま年末のG1・ホープフルステークスも完勝。一躍クラシック戦線の最有力候補として名乗りをあげます。
迎えた一冠目・皐月賞では、不利だと言われる最内枠からのレースを難なく制し勝利。続く日本ダービーも直線突き抜けて快勝し、2冠を達成します。
菊花賞の前哨戦・神戸新聞杯を馬なりで圧勝すると、そのまま菊花賞も勝利。無敗の3冠馬となると同時に、史上初の親子無敗3冠馬という偉業を達成したのです。
先行して抜け出す、王道の走りで強さを誇示し続けており、亡き父・ディープインパクトの最高傑作としての呼び声も高くなっています。
史上初のG1 8勝馬・アーモンドアイ
史上初の牡馬・牝馬無敗3冠馬誕生に沸き立つその1週間後、もう一つの偉業に挑戦する馬がいました。
その馬の名前は「アーモンドアイ」。
これまでに、2018年に牝馬3冠・ジャパンカップを制し、2019年にはドバイターフ・天皇賞(秋)を、2020年にはヴィクトリアマイルを勝利と、これまでにG1を7勝している、5歳牝馬です。
そんな彼女が2020年の天皇賞(秋)で、前人未踏のG1・8勝目に挑みました。
これまでにG1を7勝している馬は、シンボリルドルフ・テイエムオペラオー・ディープインパクト・ウオッカ・ジェンティルドンナ・キタサンブラックと錚々たるメンバーが並びますが、この名馬たちでもG1・8勝目の壁に阻まれ続けてきました。
しかし、アーモンドアイは見事2020年の天皇賞(秋)を制覇。史上初となるG1・8勝馬となったのです。牡馬・牝馬無敗三冠馬の誕生にG1・8勝馬の誕生!
そして、アーモンドアイは11月29日のジャパンカップを最後に引退することが決まりました。G1レース日本最多勝利の記録を塗り替えたアーモンドアイの走りが見られるのも最後です。
ゲームでもあり得ない。牡馬・牝馬の無敗三冠馬とG1・8勝馬が揃い踏み。
この3頭が激突することを願わなかった競馬ファンはいないでしょう。
無理だと思いながらも…。そんな中、夢の対決が実現することになっていったのです。
10月29日、先立って参戦を表明したのは牝馬3冠馬・デアリングタクト陣営でした。牝馬限定戦のエリザベス女王杯へ進む選択肢もある中で、強い牡馬とのレースに駒を進めた陣営の判断には賞賛が送られました。
その約1週間後の11月5日、牡馬3冠馬・コントレイル陣営もジャパンカップへの参戦を表明。
適距離ではない菊花賞でのタフなレースの後に、レースのダメージが残ったとの報道もされていた中で、参戦の報に競馬ファンは湧き立ちました。
ここに、史上初となる牡馬・牝馬の無敗三冠馬の対決が実現することとなったのです。
そして更に競馬ファンを喜ばせるニュースが届きます。11月12日、アーモンドアイ陣営が参戦を表明。
そして、ジャパンカップを最後にアーモンドアイが引退することも報道されます。無敗3冠馬の対決に、歴史的な女傑アーモンドアイが参戦。そして、彼女の引退レースというおまけもつくことになりました。
競馬界を代表するスターホース3頭が揃い踏み。ゲームでも有り得ない、とんでもないメンバーが雌雄を決することとなりました。
空前絶後のメンバー。11月29日、間違いなく日本競馬史に残る一戦。
注目はここまでご紹介した3頭ですが、3強に匹敵する力を持つ馬も出走が予定されており、まさに空前絶後のメンバーが揃いつつあります。
- サートゥルナーリアーG1・2勝馬で今年の宝塚記念で1番人気に支持された実力馬。
- グローリーヴェイズー昨年の香港でのG1・香港ヴァーズを制覇。
- カレンブーケドールーG1・2着3回に、G2・2着2回の実績を誇る最強の2勝馬。
- ウェイトゥパリスー今年のサンクルー大賞典を勝利した仏馬。
役者は揃いました。
あとは、当日まで出走各馬が順調に過ごし、ゲートが開くことを祈るのみです。11月29日15時40分発走予定、第40回ジャパンカップ。