
日本のカジノで認めるカジノゲームの種類も公表され、いよいよカジノ解禁が直近になりましたが、友人や家族間であっても公営ギャンブル以外の賭博そのものはまだ規制されています。
一方、シンガポールでは今年ギャンブル法が改正される予定で、世界的にも有名なマリーナベイ・サンズ・カジノを含めた政府公認である2つのカジノ施設以外でも一部ギャンブル行為が解禁されるようです。
シンガポールのギャンブル規制はどのようになっているのか、法改正で何が変わるのかを解説します。
シンガポールでのギャンブル法改正の内容
2021年7月12日、シンガポール内務省がギャンブルに関する法律を今年のうちに改正すると発表しました。これはギャンブルに関するビジネスモデルが進化していることを受けて、同国の法律および規制の有効性を保つのが目的としています。
友人や家族間でのギャンブルは合法化される
シンガポール内務省の発表によると、ギャンブルに関する法改正のなかで、友人や家族間でのギャンブルは許可するとしています。ただし、オンラインでのカジノ行為は友人あるいは家族間であっても許可されないとのことです。
これはオンラインで参加するプレイヤーの関係性を立証することが難しいことが理由のようです。シンガポールでは、2014年に制定されたリモートギャンブル法において、オンラインソーシャルギャンブルを禁止しています。
リモートギャンブル法の内容
シンガポールのリモートギャンブル法では、オンラインカジノを含み「オンラインで行うギャンブル行為」を禁止しています。自国はもちろん、他国の企業も運営は許されていません。
対してアメリカでは州によってオンラインカジノを合法化しているように、世界的にみるとオンラインカジノの扱いはさまざまと言えるでしょう。
リモートギャンブル法ではリアルマネーの獲得につながることがないソーシャルゲームは対象外となっています。しかしソーシャルゲームのガチャにはギャンブル性が伴い、ギャンブル行為との境界が曖昧になっています。そこで、ソーシャルゲームに関してもきちんとした法整備がされることになりそうです。これはギャンブル依存症を防ぐ意味では歓迎すべきことと言えるでしょう。
オンラインゲームのガチャは上限金額が設けられる
シンガポールのギャンブル法改正の際には、オンラインゲームに対する線引きもなされるようです。
具体的に、ゲームセンターやオンラインゲームのガチャなどの賞品に、100シンガポールドル(およそ8,000円)の上限を設けるとしています。さらにオンラインゲームのアイテムを使った賭けも禁止する見込みとなっています。これは安全にソーシャルゲームをするためには必要な措置と言えるでしょう。
ギャンブルの規制を緩和する背景
シンガポールでは、ギャンブルに関する過剰規制は望まないとしています。すでにギャンブルとゲームの境界があいまいになりつつあり、すべてを規制することには無理があるというのが理由です。ギャンブル性のあるソーシャルゲームが普及していることも背景にあります。
またカジノ犯罪は全体の1%未満にすぎないことや、ギャンブル依存症も低い割合で安定していることも、ギャンブルの規制を緩和する背景にあるとしています。
まとめ
シンガポールではギャンブルに対する規制を細かく整備しています。これはユーザーにとっては、安心して楽しめるという点で良い結果につながると考えられます。その一環として、ギャンブル友人や家族間でのギャンブルに関しては解禁される見込みとなっています。
日本では、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法のうち、カジノ解禁とギャンブル依存対策などを含めた条項を施行することを7月13日に閣議決定し、19日に全面施行となりました。カジノリゾートの開業は2020年代の後半を目指しているそうです。
アジアや世界におけるギャンブルの捉え方はさまざまですが、ギャンブル依存対策をしっかりと取りながら、楽しめる環境が整うことが望まれます。