北京冬季オリンピックが終了し、日本は金メダルが3個に銀メダルが6個、そして銅メダルが9個の合計18個と歴代最多となりました。メダルの数といえばもっとも多いのはノルウェー(金16、銀8、銅13の37個)で、2018年に続いて第1位となっています。実はその強さの秘密は、スポーツチームがスポーツ賭博の収益金によって支えられていることにあるとの見解があります。
ノルウェーのスポーツ界を支える収益金
ノルウェーのスポーツインフラや選手の育成、さらにはオリンピック選手のためのトレーニングセンターなどを支えているのは、宝くじやスポーツ賭博、カジノゲームなどの収益金です。2021年には3億6000万ドル以上の収益金があらゆるスポーツプロジェクトに分配されており、オリンピック対策としてはおよそ2000万ドルが分配されています。
ノルウェーではスポーツ賭博やカジノが民間企業ではなく国営企業「ノルスク・ティッピン」によって運営されています。そしてその収益金はスポーツチームに64%、文化団体に18%、人道支援機関に18%が振り分けられています。
ノルウェーのスポーツ賭博の仕組み
ノルウェーのスポーツ賭博には、少し変わった仕組みがあります。ブックメーカーなどで賭ける金額の7%は、自分で選んだスポーツチームや地域の団体などに割り当てることができるようになっています。
スポーツベットを通して賭け金の一部が応援しているスポーツチームへの資金提供や寄付、補助金といったことに使われているのです。これらがスポーツインフラの整備につながり、選手たちを支える資金となっています。
この「グラスルート・シェア」と呼ばれる分配金のあとに残った資金が、スポーツチームや文化団体などに振り分けられることになります。このようにノルウェーのスポーツ賭博は、スポーツを中心として社会全体の利益になるものとして運営されています。
ノルウェーでスポーツベットの対象として人気のあるスポーツは、サッカーやアイスホッケー、テニスにハンドボール、そしてeスポーツなどです。もちろんウィンタースポーツも人気があります。
なかでもサッカー、特にイングランドのプレミアリーグは人気が高く、ベット対象としてほとんどの割合を占めています。
ノルウェーでのギャンブル依存症対策
スポーツへの貢献度が高いスポーツ賭博ですが、もちろんギャンブル依存症対策もしっかりと講じられています。1カ月のスポーツ賭博での損失は2000ドルまで、カジノゲームでは500ドルまでと定められているのです。
ギャンブルの歴史は中国に始まったと考えられていますが、実は民間伝承ですがノルウェーとスウェーデンの王がヒジンゲン島の領有をめぐってサイコロで決着をつけたとされています。ノルウェーでは1276年にギャンブルに関する法律が制定されていたように、生活に根付いているようにも思われます。