米国で唯一のスポーツベッティング取引企業であるSporttradeがIBIA(International Betting Integrity Association)に加盟すると10月初旬に発表しました。この加盟によりスポーツ賭博市場の透明性と公平性が、より高いものになると期待されます。
Sporttradeとは
2018年にサービスを開始したSporttradeは米国フィラデルフィアに本拠を置くスポーツ賭博事業者です。ユーザーは株式取引をするようにスポーツベットを売買することができる「スポーツベッティング・エクスチェンジ」を2022年9月15日から提供しています。
スポーツベッティング・エクスチェンジのサービス内容
スポーツベッティング・エクスチェンジはユーザー同士がスポーツベットにおけるオッズの売買をするサービスです。
株式売買の板情報のように1つのオッズに対して「Back(ベットを買う)」と「Lay(ベットを売る)」の価格が提示されます。Sporttradeのサービスではその売買の仲介を行い、手数料を徴収する仕組みです。
売買するスポーツベットの予想が当たれば配当を受け取りますが、試合展開により売買されるオッズの価格は変動します。予想が当たりそうであれば売買価格は上昇し、外れそうになれば価格は下落します。ユーザーはその価格差で生じる「利ざや」でも稼ぐことができるのが、スポーツベッティング・エクスチェンジの特徴です。
残念ながらSporttradeのサービスは日本では利用できません。SporttradeはiOS端末でのアプリを提供していますが、日本ではアプリのダウンロードができないためです。
IBIAとは?
IBIAは2005年に設立された6大陸で活動する非営利団体です。賭博事業者をメンバーに、責任ある賭けの実践を約束するという行動規範をメンバーに求めています。メンバーは賭け関連の汚職に対処するため、ほかの利害関係者と協力する明確な商業的必要性を持つとしています。
IBIAは八百長に関与した当事者の調査と起訴、および制裁における重要な役割を果たします。また正当な賭博事業者とスポーツ、消費者を保護する情報に基づいたポリシーをサポートするため、国際レベルの議論にも参加しています。
IBIAのメンバーにはDraftKingsやFanDuelも名を連ねており、これらの事業者はアメリカの7つの州でライセンスを取得しています。
SporttradeもIBIAに参加することで、スポーツ賭博に関する法律と規制に従って運営されることを強くアピールできることになるでしょう。
IBIAが具体的に行うこと
IBIAはモニタリング&アラートプラットフォームを運用していますが、これは団体に参加するメンバーの賭け市場における疑わしい活動を検出するものです。
FIFA、UEFA、ITIA、IOCといった主要なスポーツ団体やギャンブル規制当局と情報共有パートナーシップを結び、そのデータを利用して汚職を訴求するとともに活動報告を四半期ごとに発行します。
またスポーツ競技の操作に関する欧州評議会条約の策定を支援し、米国市場における賭けの完全性監視措置の確立を支援しています。