ギャンブルの歴史|カジノゲームの起源と未来

オンラインカジノの普及で日本でも手軽に楽しめるようになったカジノゲーム。しかしその起源や歴史についてはあまり知られていません。

これまで多くの歴史家が研究し、賭博と人々の関係やその背景について謎を解き明かしてきました。ギャンブルは遥か昔より人々の生活の中にあり、日常的に行われていたという痕跡が世界の各地で見つかっています。

 

古代のギャンブル

ギャンブルの起源は実に古代にまで遡ります。その起源は「占い」にあったようです。

未来を知りたいという人間の欲望が占いという行為を生み出し、小枝や動物の骨、木の実などを使った記録も残っています。これらはサイコロの起源とも言われています。

ギャンブルに関する最古の記録は古代中国、紀元前2300年に遡るとされています。その記録には領土問題を解決する手段としてサイコロが使われた記述が残っています。

 

サイコロの起源

サイコロの起源は動物の後ろ足のくるぶしの骨とされています。「アストラガルス」と呼ばれるものですが、紀元前7000年ごろの住居跡から発掘されたものがトルコの考古学博物館に展示されています。

最古のサイコロとは?

このアストラガルスは動物の骨から水晶、ガラス、鉛と材質を変えて次第に人工物へと変化していきます。

もっとも古い人工的なサイコロは紀元前2600年ごろの三角錐だと言われています。これはウル王墓から見つかりました。この四面体となるサイコロはほかにも、パレスティナやイラン中部、インド・パキスタンなどでも見つかっています。

現在のサイコロの形である正六面体になったのは、古代インドあるいは古代エジプトであると言われています。最古の正六面体のサイコロは紀元前8世紀ごろのアッシリア(現在のイラク北部)における遺跡で発掘されました。そこには数字が刻まれていて、現在のサイコロと同じように1の裏は6があり、反対面同士を足すと7になります。

古代のサイコロの用途

そもそもサイコロは何の目的で使われていたのでしょうか。古代ローマでは、「すごろく」のゲームで使われていました。これはバックギャモンの原型とも言われてるボードゲームです。

そして紀元前200年以降になると、このサイコロを使った賭け事が行われるようになります。ポンペイの壁画には壺に入ったサイコロを振る人物のフレスコ画が残されています。

さらにこのサイコロによる賭け事は、皇帝も興じていたことで有名です。初代皇帝アウグストゥスや3代皇帝カリグラ、5代皇帝ネロなどがサイコロを使った賭け事に没頭していたようです。

 

カードゲームの起源

ギャンブルのなかでも人気の高いバカラやブラックジャック。これらのカードゲームはどのように誕生したのでしょうか。

カードゲームの起源は中国に?

カードゲームは14世紀ごろには普及していたとされますが、最初のカードは中国からヨーロッパに持ち帰ったのが起源とされます。

中国では千年以上前から板や紙に数字や記号を記し、これを賭け事に使っていたそうです。そして14世紀にはマルコ・ポーロが中国からヨーロッパへカードを持ち帰り、ヨーロッパでカードゲームが普及したという説があります。

一方でカードの起源としては、インドから伝わったという説もあります。インドでも皮や紙などに動物や植物の図案を記して占いや飾りに使っていたとされています。そのカードがジプシーたちによって世界中に普及したという説もあります。

トランプはヨーロッパで誕生

中国から持ち込まれたカードはフランスあるいは北イタリアでトランプの形になったと考えられています。というのも、トランプのスーツ(マーク)は中世ヨーロッパの封建制度における階級を表しているからです。

スペードは貴族と剣を、ハートは聖職者と聖杯を意味します。そしてクローバーは農民と棍棒を、ダイヤは商人と金貨を表しています。

 

ルーレットの起源

ルーレットの起源とされているのは、フランスの哲学者であり数学者、ブレーズ・パスカルの発明とされています。

もともとパスカルは、外部からエネルギーを得ることなく動き続ける「永久運動マシン」を発明しようとしていました。その過程で誕生したのがルーレットというわけです。ただし、パスカルが発明したルーレットには「0」の数字はありませんでした。

1842年、ふたりのフランス人がモナコのチャールズ3世のために「シングルゼロのルーレット」を設計したとされています。これは財政に苦しむモナコにカジノを建設し、収益をあげるのが目的でした。ゼロという数字をひとつ加えることでハウスエッジが生まれ、胴元に有利になったのです。そしてルーレットはアメリカへ渡り、ハウスエッジをさらに高めるために「ダブルゼロのルーレット」が誕生します。

 

スロットの起源

最初にスロットマシンを作ったのは、サンフランシスコの自動車整備士であるチャールズフェイです。1895年に3つの回転リールを持つリバティベルスロットマシンを完成させましたが、これには自動支払い機能も備わっていました。

チャールズフェイが製作したスロットマシンはまたたく間に人気を集めました。ギャンブル用品を提供するメーカーはこのリバティベルスロットマシンの製造権と流通権を得ようとしましたが、チャールズフェイはこれを拒否します。すると、1907年にはハーバートミルズというメーカーがベルのほかにレモンやチェリーといった果物のシンボルを配置した「オペレーターベル」というスロットマシンを生産しました。

やがてスロットマシンは機械式から電子式の、いわゆるビデオスロットへと移行していきます。

 

現代でもカジノゲームは革命を続けている

古代の占いから始まったとされるギャンブルは、さまざまな経緯を経て現代のカジノゲームへと姿を変えていきます。

たとえばローマ人が木製のブロックで行なっていたギャンブルは1700年ごろにフランスで「カードゲーム21」として普及し、1820年にはアメリカのニューオーリンズの賭博場で見られるようになります。そしてネバダで名前を「ブラックジャック」と変え、ルール化されました。

バカラの場合は、1300年代にイタリアで始まったとされています。そしてバカラはフランスへ渡り、貴族の間で流行します。当時のバカラはルールが複雑でしたが、20世紀半ばになるとアメリカでルールが簡素化され、現代のバカラへと姿を変えました。

 

カジノゲームのこれから

近年では「オンラインカジノ」が誕生し、ギャンブルの世界での革命は今なお起こり続けています。現代のテクノロジーのおかげでランドカジノに行く必要なく、好きな場所で好きな時間にオンラインでカジノゲームをプレイすることが出来るまでに変化をしています。

これからの未来、カジノゲームはどのように変貌を遂げていくのでしょうか。

 

まとめ

ギャンブルの起源を遡ると、占いにつながることがわかります。未来を知りたいという欲求がギャンブルという投機行為に結びついたというわけです。なぜ多くの人がギャンブルに魅了されるのか、その理由のひとつがそこにあるようにも思えます。ギャンブルに興味を抱くのは人間の本能ということかもしれません。